医療現場の整理収納の基本『5S』

コラム

みなさんは5S という言葉を聞いたことがありますか?

元々は製造業やサービス業などの職場環境の改善や維持のために用いられていた活動や標語のことです。

5S (ごエス)や5S活動と呼んでいます。

実は医療現場は意外と散らかっています。特に患者さんが目にしない職員エリアなどは荒れていてもそのままになっていることが多いです。職場というのはよくも悪くも誰かがやるだろうという意識が働いて、誰も片付けないままになりやすい場所です。モノにあふれている倉庫、入ったらなかなか出てこられなくなる物品庫、安全点検や物品ストックの在庫確認の際に、どこをみていいかわからず時間がかかっている…そんな職場環境では仕事がはかどりませんよね。

そんな状況を改善するために「5S」はあります。

医療現場では目や耳にしたことのある人は少ないかもしれません。実は11年間医療現場にいた私も5Sという言葉を聞いたことがありませんでした。最近は注目されるようになっている標語ですが、どんな内容なのかしっかりと理解されている方は多くないと思います。

ここからは5Sについて詳しくみて行きましょう。

5S

1 整理 

いらないものを捨てること

整理とはいらないものを捨てることです。まずは、不要なものを取り出します。今は使っていないもの、今後も使わないであろうものを取り出します。ここですぐに捨てる必要はありません。医療現場で使用する同意書や文書などは5年保存が必要なものがあります。まずは、捨てるよりも不要なもの、いらないものを見つけることに集中してください。

2 整頓 

定位置を決めて取り出せる状態にすること

整頓とは、定位置を決めて取り出せる状態にすることです。定位置を決める前には、動線を見直し、使いやすい場所に棚や収納が置かれているか確認します。動線に合わせた収納を考えた上で、定位置を決めて行きます。定位置が決まれば、さっと取り出しやすい置き方でモノを配置します。

整頓の前にすることがたくさんありますが、定位置を決めることを目標に収納の仕組みを考えて行くのがおすすめです。

3 清掃 

ゴミや埃を取り除き、掃除すること

清掃というのはゴミや埃をとりのぞき、掃除することです。

掃除をする前に整理・整頓ができていると掃除がしやすくなります。

感染予防の観点からも清掃をして清潔と保つことが大切です。
ここでは感染予防対策で使用する洗浄・消毒・滅菌について詳しくみて行きます。

洗浄

洗浄とは汚れを落とし有機物を除去することをいいます。

具体的には、水や洗剤などを用いて、洗い流すことなどで有機物を除去することができます。

消毒

消毒とは病原微生物の菌量を減少させ、毒性を無力化することを言います。

洗浄よりも強く、微生物は微生物でも病原になっている微生物の菌の量を害がなくなるまで減ることや感染力を失わせることで、毒性が無毒化することを消毒と言います。

生存する微生物の数を減らすために行います。

滅菌

滅菌とはすべての微生物を殺滅または除去することをいいます。

ここでは菌が病原によるものか有益なものかに関わらず、すべての微生物を除去します。しかし理論上現実的にすべての微生物を除去することは難しいです。

日本薬局方では滅菌した後に微生物の存在する確率が100万分の1以下になることをもって、滅菌と定義されています。

参考URL

医療現場の感染対策はこの3つの洗浄・消毒・滅菌を組み合わせたり、用途に合わせて使用することで次の概念である清潔を保つようにしています。

4 清潔 

3S (整理・整頓・清掃)を維持し、衛生を保つこと

3Sとは今までに出てきた整理・整頓・清掃のことを合わせて3Sと呼びます。3Sができたら、衛生を保てるように清潔にすることが大切です。整理・整頓・掃除が行き届いていれば、清潔はおのずと保てるようになってきます。

しかし医療現場での清潔は、一般通念による清潔と少し違うところがあります。

一般通念では清潔というと見た目に綺麗、汚れがないことなどを指します。不潔とは、汚染がみられたり、埃が舞っている、悪臭がする環境のことを不潔と言います。

医療現場では感染のリスクをアセスメントした上で、清潔を維持できるような清掃方法(洗浄・消毒・滅菌)を組み合わせたり、使い分けています。

5 習慣化 

決められたルール・手順を正しく守る習慣をつけること

5つ目は習慣化です。しつけと解説されているときもあります。習慣化とは決められたルール・手順を正しく守る習慣をつけることです。

この習慣化が一番難しく、人が異動になって変わったり、組織風土ができあがっているとなかなか目に見えて改善したことを実感しにくいです。

習慣化ができれば、現場の乱れは最小限で済みますし、掃除がしやすい環境が整っているので、清潔を保つことができます。さらに皆の意識が変わって行き、良い習慣が出来上がっていく、という流れです。

習慣化ができるようになるためには、ある程度の時間がかかります。またどんな企業でもこの習慣化ができないことで悩まれていることが多いです。

まとめ

5Sとは何かおわかりいただけたでしょうか?少し思い出してみてください。

A. 職場環境の改善や維持のために用いられていた活動や標語 です。

これらの5つを意識すると、職場環境が改善されて行きます。ぜひみなさんも普段の仕事の時に意識してやってみてください。

誰も片付けをしない職場環境であれば、どんどん散らかって行きます。まずは整理から取り組んでみるのはいかがでしょうか?職場全体で取り組み、意識を変えて行くことで、時間はかかりますが習慣化まで達成していけます。

一度職場が改善されとても働きやすい環境になると、元の散らかった状態には戻れなくなりますよ。

医療現場の改善をしたい、プロの視点で見てほしいという方は、お問合せよりご連絡ください。

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