みなさんは、看護師の中でもスペシャリストと呼ばれる看護師がいることはご存知ですか?
医師にも、内科専門•外科専門など、専門分野があるのと同じように、看護師にも専門分野を持っている看護師がいます。
今日はその中から、専門看護師と認定看護師が一般の看護師と比べて何が違うのかを医療現場で11年の経験がある筆者の目線でまとめました。
専門看護師と認定看護師についての説明はこちら
専門看護師と認定看護師の違いについてはこちら
https://moca1112.com/difference-cn-cns/
認定看護師•専門看護師は普通の看護師と何が違うの?
私の勤めていた基幹病院では、認定看護師も、専門看護師も多くいました。
消化器病棟で勤務していたときは、ストマケアで悩んでもストマケアの認定看護師にすぐに質問できる環境が整っていました。
消化器病棟は2つありましたが、それぞれに最低一人または二人は認定看護師がいました。
その他の循環器病棟や呼吸器病棟、急性期や救急病棟にも一人以上は認定看護師や専門看護師がいました。身近で見ていて、スキルアップした看護師は違うなといつも頼りにしていました。
では実際にどんなところが違っていたのかをこれから紹介していきます。
看護の質が違う

専門看護師は36単位、認定看護師は800時間以上専門分野について勉強されています。そのため、看護に対する知識、技術は一般の看護師よりも深いと言えると思います。患者さんへの接し方、看護師としての経験値、知識量、思慮深さなどが違っていると感じていました。情報収集能力が高く、患者さんの思いや背景を臨床と結びつけて考えて、支援されていました。
相談すると明確に答えてくれる

認定看護師と同じ病棟で働いていましたが、患者さんのことで困ったことがあったら、すぐに相談できる環境が整っていました。相談しようと思ったときには真っ先に認定の方か専門の方の顔が思い浮かんでいました。相談したときに経験値からの説明だけではなく、知識を与えてくれたり、技術を教えてくれるなど、明確に答えてくださいました。特に認定看護師は実践、指導、相談の役割があるので、日々の看護の中で一般の看護師の知識や技術も高められていました。
例えばストマケアでいうと、パウチから便が漏れてきている!と緊急で対応してほしいときにも、声をかけるとすぐに来てくださり、問題点を明確にされ、次の改善点などを示してくださっていました。
勉強会がわかりやすい

消化器病棟で働いているとき、がん看護の専門看護師や認定看護師も勉強会を開催してくれました。一緒に働いている先輩であることが多いので、スタッフの今抱えている悩みをよく理解した上で、専門的知識を教えてくれるので、とてもわかりやすかったです。勉強会での事例も今実際にいらっしゃる患者さんのデータの読み方やドクター記録からの読み取り方なども教えてくれたので、患者さんの治療に対する理解が深まりました。
困難事例の対応ができる

週に一度は、専門看護師と認定看護師が病棟内を巡回して来てくださるので、その時には対応困難な事例を相談できる環境が整っていました。特に病院内を横断的に活動されている専門看護師は、事例を相談したとき、他の病棟で働かれていても、すぐに訪ねて来てくださり、スタッフの抱えている対応の困難さを言語化してくれます。その日のうちにカンファレンスを持ち、スタッフそれぞれの断片的な情報をつなぎ合わせて考えられ、次の課題を明確にされ、対応についても最善策を一緒に考えてくださっていました。
さらにいつもスタッフに寄り添ってくれ、患者さんのことも自分の目で確かめられ、看護師としての対応もとても尊敬していました。専門的知識がある人が身近にいる環境で、看護できることのありがたさを感じていました。
上記の対応についてもう少し深く考えると3つのことがわかりました。
思い込みを外して関われる
病棟で受け持っている患者さんなど、関わる時間が長くなってくると、この人はこんなタイプ、こんな性格と受け止めてしまっていることがあります。また一度こんな人であると思ってしまうと、そのままの状態で意思決定に関わることがあります。そんなときに専門看護師や認定看護師が関わるともう一度最初から情報を確認されたり、ズレが生じていた時点まで戻って話をされていました。そのため、思い込みを外して考えることができる看護師であるとも言えると思います。
言語化する力がある
看護師をしていると患者さんを取り巻く環境や現状、今の思いやこれからの方向性についてなど、さまざまな場面で誰かに伝達したり、文章にしたりなど言語化する力が必要です。言語化する力というのは、1日では身につきません。論文を読み込んだり、文章化したり、論文としてまとめ、発表する時間を持つことで鍛えられるものだと思います。その言葉にする力を持っている人たちが専門・認定看護師であると思います。
スタッフの教育ができる
専門看護師も認定看護師もスタッフ教育の役割も担っているので、教育がとても上手であると思いました。勉強会についてはすでに紹介した通りですが、日々の看護をするときにも何を考えてこのように行動したのかを説明できる力があるので、専門・認定看護師から知識や技術を学ぶことができました。
同じ病棟で働くときのデメリット

一緒に働く上でのメリットはとてもたくさんありました。私自身も認定看護師や専門看護師の看護を身近に見せてもらうことで、看護に対する学びが深まりました。しかし、同じ病棟で働くことで、スタッフとして我慢しないといけないこともありました。そちらをデメリットとしてまとめました。
勤務希望が優先されることが多い

看護師の勤務はシフト制です。次の月の休み希望をカレンダーに書き込むなどして、申請します。
休み希望が集中している日もあるので、そのときには、認定や専門の資格を持っている方が優先され、その他の一般のスタッフは希望を変えたり、希望をやめることもありました。
会議が多いので配慮が必要

月1回は専門看護師・認定看護師だけの会議が開催されていたので、そのときは日勤でも部屋持ちをすることができず、フリー業務をしながら、会議に抜けることができる環境をつくっていました。また、院内のチーム活動に参加されていたので、毎週決まった曜日は会議に間に合うように仕事を調整する必要があり、こちらも配慮が必要でした。
学会への参加が優先される

専門看護師や認定看護師は、学会に参加したり、論文発表することで、ポイントがもらえ、そのポイントを貯めることで、次の資格更新のときに認定される仕組みになっています。
そのため、学会があったら、専門看護師や認定看護師が優先的に休日を取得し、遠方であれば、そのままついでに旅行というプランにされている方もいらっしゃいました。
同じ病棟の専門資格のないスタッフが、その分野に少し興味があるからちょっと参加してみたい、そんな気持ちがあったとしても、休日の希望を出す人数には限りがあり、現実的に参加することが難しかったです。
これらが専門や認定を持っていない現場の看護師の本音でもあります。
専門分野があるなしに関わらず、知識を深められる環境が整えられることを願っています。
まとめ
ここまで専門看護師・認定看護師と一般の看護師の違いについてまとめました。
今後専門看護師や認定看護師を目指そうと思っている看護師の方の参考になれば嬉しいです。専門や認定に進むのはハードルが高いと感じているけど、自分の得意分野を見つけたい、そのように思われている方は、民間資格はいかがですか?民間資格のメリットや民間資格の一覧についてまとめましたので参考にしてみてくださいね。


コメント
[…] 専門看護師と認定看護師/一般の看護師との違いみなさんは、看護師の中でもスペシャリストと呼ばれる看護師がいることはご存知ですか?医師にも、内科専門•外科専門など、専門分野 […]