意外と散らかる【点滴棒】を片付ける方法

コラム

点滴棒

点滴棒は意外と場所をとる

入院したての患者さんは、必ずと言っていいほどみんな点滴をしていますよね。入院患者さんにとって、一番身近な医療機材といえる点滴棒。これが意外と場所をとるんです。

ベッドサイドに置いてあると、それより奥には入れない。手が届かない。
夜勤の点滴交換のときには、点滴棒の足がみえず、つまずいて転びそうになることもしばしば。使っていないときでも、高さも幅も120cm程度はあるので、収納スペースもけっこう必要だったりします。
今回は、そんな「点滴棒の収納」について考えていきます。

点滴棒の種類と使いわけ

点滴棒には大きくわけて2種類あります。患者さんのベッドや車椅子に差し込んで使うものと、ベッドサイドに置いて使うもの。この2種類です。

患者さんのベッドに差し込んで使うもの

ベットに差し込んで使うものは、主に、ベッドや車椅子のまま移動するときに使います。
検査や治療のあとのお迎えのときには大活躍!これ一本で点滴を滴下しながら病棟まで帰れるので、忘れたときには悲惨(笑)

「検査迎え行ってきます〜!」と大きな声で言った新人さんがこの点滴棒を持っていなかったら、走って追いかけることもしばしば。検査迎えのときのセット品になっていました。

このタイプの点滴棒は、ベッドサイドに置いて使うタイプのものに比べると、収納スペースが小さくて済みますし、使っているときも邪魔になりにくいです。しかし、このタイプは、ベッドごと移動するには便利ですが、患者さん本人が動こうと思うと不便です。トイレに行くとき、売店に行くとき、リハビリに行くときなど、ベッドから離れるときには点滴と一緒に移動しにくいです。

そこで出てくるのが、もう1つのタイプ。自力で動ける人が使用する、可動式の足のついた点滴棒です。

可動式点滴棒

Amazon公式サイト様よりお借りしました

こちらは、ベッドサイドに置いて使うタイプです。

キャスターが付いているのでコロコロと一緒に移動すれば、点滴をしているときでも移動できますし、何か支えを持って歩く方が安定している患者さんは、シルバーカーや歩行器の代わりに点滴棒を使っている人もいます。

可動式の点滴棒を使えるようになると、リハビリが進んでいるしるしだな、なんて思ったりもします。

こちらは、差し込むタイプに比べると、高さがあります。伸縮性の構造になっていることがほとんどですが、小さくしても120cm程度はあると思います。それに、数個のキャスターがタコの足のようについているので、床に接地している部分は幅もあります。これを収納するには、スペースが必要になってきます。

さらに作りや素材の種類があります。詳しく見ていきましょう。

プラスチック製のもの

こちらはプラスチック製の可動式点滴棒です。足がプラスチックなので軽くて丈夫。動きもスムーズ。
支えにして歩くには滑りすぎることもあるので注意。

金属製のもの

こちらは金属製の可動式点滴棒です。

足の部分がなぜか4本か5本になっていることが多い。金属なのでふいに当たると痛い。
重く感じる分、支えとしてはプラスチックよりは頼れる。壊れにくいのがメリット。

グリップ付きのもの

こちらはグリップ付きのもの。ここを支えにして、歩行もスムーズ。重さも適度にあり、5本足なので安定感抜群。以前勤めていた地域の基幹病院(600床)ではこちらがメインで使われていた。

点滴棒の収納の実際

わたしが働いていた病院(200床くらい)では、使用していない可動式点滴棒は、廊下の端に並べられていました。しかし近くに非常口があり、そもそも廊下に置くと狭くなってしまい、緊急時には通行の邪魔になります。だから、普段はなるべく使用していない病室に入れて、廊下には置かないようにしていました。
可動式点滴棒の中でも、上記にあげたような作りや素材の違いがあり、一つの病棟に混在していることがほとんどです。収納するにも場所をとるし、見た目もごちゃごちゃしている感じがありました。急いで取り出そうとすると、足どうしが引っかかってしまってスムーズに出せなかったり、倒れそうになってヒヤッとしたり。仕事中のプチストレスになっていました。そう感じている看護師さんは多いのではないでしょうか?

ベッドに差し込む点滴棒は、中心に穴をあけた縦型の木の箱にまとめて入れてありました。古い病院だったからかもしれませんが、点滴棒の太さや長さにばらつきがあったり、点滴棒の先が折り曲げられるものがありました。これもまた出そうとすると引っかかるんです。こっちのひっかかりは、可動式よりやっかい。いくつも複雑に絡まっていたりするので、ゆっくり順番に外していかないととれない。急いでいるときは、もう本当にストレスでした。

点滴棒の上の部分が取り外せるようになっていて、取り外した部分がベッドサイドに差し込めるというタイプの点滴棒もあるようですが、これは正規の使われ方ではなく、緊急時にやむを得ず使っている人もいました。

頭のなくなった点滴棒ちゃんがポツンと廊下の端に置かれているのを見ると切なくなってました

点滴棒の上の部分を取り外して使う方法は点滴棒の紛失につながり、上と下が合わないというトラブルにもなっていました。

わたしが2つ目に働いていた病院ではこのタイプは普及しておらず、ベッドに差し込むタイプと置いて使うタイプを使い分けていました。いろいろな種類のものを使うということは、一部が壊れてしまったときなどの使いまわしができないし、収納の面から考えても無駄になっていることが多かったように感じます。

点滴棒の収納のコツ

ではここからは、点滴棒の収納のコツについてお伝えしていきます。

点滴棒の収納を考えるときはまず初めに、点滴棒の数の見直しをしてください。日勤帯でどれぐらいの数が出払っているかを集計してみてください。それに比べて総数は何本ありますか?

日勤の出払っている数の平均値を計算して、それに予備としての本数を足した数だけ残してください。

余った点滴棒はいちど倉庫などにしまうか、看護部などに引き取ってもらい、必要な病棟があるなら譲ってあげるのも良いですね。


次に、種類ごとにわけます。なるべく同じ種類の点滴棒でそろえるようにするといいですよ。同じ種類のものは並べやすいし、揃って並んでいると、見た目も美しいです。引っかかりや絡まりも改善できます。

点滴棒を新たに購入する際は、今ある種類と同じものを購入してみてください。購入するときは、点滴棒の足が広すぎないものを選ぶといいですよ。患者さんが点滴棒の足にひっかかってしまって転倒するというインシデント・アクシデントがありますので、注意が必要です。

配置場所は、点滴室から病室までの動線上にしましょう。新たに点滴が始まる患者さんの場合でも、点滴室で点滴をつくり、点滴棒を手に取って、患者さんのもとに足を運ぶことで無駄な動きをせずに点滴を開始できますよ。

まとめ

点滴棒って、患者さんにとっては、買い物したものを吊り下げたり、洗濯したものをかけて干したりしている患者さんもいらっしゃって、入院生活を送るにあたって便利なものになっていますよね。だから、時には足りないほど出払ってしまったり、逆に大量に廊下の隅に追いやられてしまったりと必要数を決めるのが難しかったりすると思います。

一週間の中でもオペ日と検査日が重なっている日など、点滴棒がよく出払う日の数を計算して、必要最低公約数を置くことで、毎日のプチストレスを解消することにつながりますよ。

もちろん簡単に減らすことが難しいときには、一旦倉庫などに置いておき、本当に必要かどうかを週単位で検証してみるのもおすすめです。それでも倉庫まで取りに行ってないということは必要なかったとわかります。

適切な本数にすることで働きやすさがUPしていると、点滴棒が多かった昔には戻れなくなっているので不思議です。

きっとみなさんも、点滴棒についてのエピソードをお持ちなのではないでしょうか。点滴棒の置き場所や取り出しにくさなどでストレスを感じたり、どうにかできないかなと悩んだときには、一度収納を見直してみてくださいね。

【点滴棒編】収納を見直すときのポイント
  • 点滴棒の数を見直す
  • 必要数にしぼる
  • 種類ごとにわける
  • 同じ種類の物で揃える
  • 点滴作成場所からベッドサイドまでの動線上に収納場所を配置する

病院の新設や改修予定の方は、点滴棒を配置することもできる多目的収納場所をつくっておくと、安全な通路確保ができ、すっきりとした病院になります。

その他病院の収納に関するお悩み、看護師動線の見直しなどをご希望の方はお問い合わせよりご連絡ください。

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