潜在看護師のREAL VOICE】子育てしながら看護師として働く

REAL VOICE

はじめに

私たち、MOCA:医療収納コーディネーター協会 が主催する、看護師の本当の気持ちや声を聞くイベントを開催しました。

オンライン座談会形式で、医療現場の現状を知り、その中からどんな活動や支援があるといいかを一緒に考えたり、他病院に勤める看護師同士で情報交換をしたりする場をつくりました。

現役看護師さんはもちろん、休職中の看護師の方、復職を考えている看護師の方、ブランクがある看護師の方など、様々なフェーズにいる看護師が対象です。

看護師の「REAL VOICE」として月1回オンライン座談会を行っています。

潜在看護師のREAL VOICE

みなさんは、潜在看護師という言葉、ご存知ですか?
看護師は国家資格に合格すると更新などの必要のない永久資格です。現在看護師として働いていない免許保有者のことを潜在看護師と言います。全国になんと71万人いると言われています(2010年度厚生労働省調査)。
今回は潜在看護師に着目し、看護師が復帰するときのヒントを見つけたいと思います。

子育てしながら看護師として働くということ

記念すべき初回のREAL VOICEには、休職中の看護師4人に集まっていただきました。2名は現在育休中、2名は出産を機に看護師を離れて、専業主婦をしている方です。

まずは参加者の方の簡単なプロフィールについてお伝えします。

Aさん
Aさん

30代、経験年数は10年。

700床以上の大病院に勤めています。

現在、1人目の育休中です。

Bさん
Bさん

20代、経験年数は8年。

700床以上の大病院に勤めています。

現在、1人目の育休中。

Cさん
Cさん

30代、経験年数は3年。

1人目の妊娠を機に退職。

今は専業主婦で、

7歳と2歳の二児の母です。

Dさん
Dさん

30代、経験年数は4年。

1人目の出産を機に退職。

今は専業主婦として

5歳・3歳・1歳の3児を育ててます。

復職についての思い

仕事をしているとき、妊娠中であっても身はひとつ。
ところが産後、子どもとの生活が現実のものになってくると、子どもと離れて仕事をすることにイメージがつきにくかったり、逆に早く仕事をしたい!と思う人もいると思います。

それぞれの看護師に復職の思いについてREAL VOICEを聞いてみました。

Aさん
Aさん

育休後には当たり前のように復職しようと考えていたけれど、出産時や産後が予想よりも大変で、今の状態では復職できるか不安がたくさんあります。子育てだけで精一杯で、仕事できると思えない。子育てばかりになってしまって、自分は外に出た方がいいのかなっていう気持ちもあるけど、子どもと関わる時間がもう少し欲しいから、1年ではなくて、もう少し育休をとりたいという気持ちもあって迷っています。

Bさん
Bさん

1人目が生まれたばかりですが、1年で復帰することにしています。2人目を考えているので、その辺も考えて復職したいと思っています。

Cさん
Cさん

子どもが幼稚園に行きだしたら少し時間ができると思うので、そのタイミングで仕事したいと思っています。でもあくまでも子育て優先で、条件にあう職場があればしたいと思っています。

Dさん
Dさん

三人目が生まれて、看護師として復職することは今のところ考えていないんです。せっかく取った看護師免許だからもったいないとは思うのですが、新人のときのインシデントの夢を今でも見るので、看護師としてではなく別の職業をするのもいいかもと思っています。

それぞれの復職についての考えや気持ちを正直に聞かせてくれました。みなさん子育ての状況はさまざまです。復帰するかどうかは子育ての状況によって大きく変わることがわかりました。

ここまでお話をお伺いして、今回のREAL VOICEは復職ありきのようなテーマになってしまっていたけど、看護師としてだけではなく、いろんな働き方があっていいよね、というメッセージを届けたいと思っていたことをハタと思い出しました。汗 復帰がすべてではないですもんね。

復職についての不安や課題

Aさん
Aさん

子育てしていると、ただでさえ自分の時間がない。この状況で仕事をやり始めたら、もっと自分の時間がとれなくなりそうなので、もう少し手が離れるまで子育てをやってみてもいいのかな。

Bさん
Bさん

これから復職して時短勤務を取ったとしても、こなさなければいけない業務量は変わらない。ワンオペなのは予想できるので、自分一人でやりこなせるのかという不安があります。
まだ子育てし出したばかりなので、わからないこともありますが、実際に子育てをしていると、思っていたよりも大変だなと感じるかもしれません。

Cさん<br>
Cさん

実は一回復帰してみたことがあるんです。その時は主人の休みに合わせて働いていました。子どもを主人に預けて週1‐2回程度でクリニックで働いたのですが、引っ越しをきっかけに辞めてしまい、その後また専業主婦に戻りました。次看護師をするなら子育て優先で、午前中だけ勤務できるクリニックがいいなと思っています。

Dさん
Dさん

妊娠中に、職場の人にひどい言葉を投げかけられた経験があって。以前の職場では子育てしている母親へ理解があるとは考えにくいので正直戻りたくないと思って退職しました。今はまだ子どもとの生活を中心に考えたいと思っています。

産休に入る前には、産後何年で復帰するかという予定を記入し提出する職場が多いと思います。
出産前は、1年で復帰できるだろうと思っていても、子どもの様子や子育ての状況から、1年経ってもまだまだ仕事ができる状況でないことが多々あります。
そんなときに、いろんな人の状況を聞いたり、自分のことを話すことで、自分がどうしたいかがおのずと見えてくることがあります。
今回のREAL VOICEでお話をしているうちに、1年で復帰!というプレッシャーから少し解き放たれて、もっと子どもと一緒にいようと思えたというお声をいただきました。

1年で復帰という申告をしていても、期限内であれば変更はできるので、職場に確認してみてください。自分の大切なものは何か、大事にしたいものは何かに気づいてもらえると嬉しいですね。

どんな職場に復職したいと思いますか。

Aさん
Aさん

病棟の雰囲気を知っているし、スタッフのこともわかるので、産休前に働いていた職場に戻りたいと思っています。

Bさん
Bさん

もっと集中治療の勉強をしたいと思っているので、産休前に働いていたICU病棟に戻るつもりです。

育休の間に手技なども新しく変わっているところがあると思うので、そういう点を知らないままに復帰するのが不安だなと思っています。復帰前に病棟から最新の手技一覧などをもらえたら、勉強して復帰に備えたいです。

Cさん<br>
Cさん

子どもが幼稚園に行きだしたら、新しい職場で働きたいと思っています。

あくまでも 子育て>仕事 という比重で生活したいです。

自分の条件に合うところがあれば復帰しようかな…という感じの気持ちでいます。

Dさん
Dさん

子どもが生まれて、保健師の仕事に興味が出てきたので、保健師について調べてみようかなと思っています。看護師として復帰することは、今のところ考えていないです。

それなりの経験年数があったとしても、一度休むと「体が鈍っているのではないか」「仕事についていけるかな」「新しく変わっていること、多くないかな」など心配になります。新しい職場に復帰する場合でも、同じ場所に復職する場合でも、事前にどんな雰囲気なのか、どんなことを準備していたら良いか聞いておけると、気持ちの準備ができそうですね。

同じ病棟の先輩は、職場復帰前の慣らし保育中にスタッフの方とランチに行くなどして、病棟の雰囲気を聞いたり、メンバーの顔ぶれを聞いたりと、自ら情報収集されていました。

私が第3子妊娠中のことですが、子どもが熱を出してお迎えに来てほしいと保育園から連絡がありました。その日はスタッフがすでに一人休んでいる状態で、病棟はかなり忙しかったので、私自身は仕事を早めに切り上げられず四苦八苦していました。それを見かねた師長さんが「こちらはなんとでもなるから、早く帰ってあげて。看護師の代わりはいても、子どものお母さんはあなただけだから」と言って、残っていた仕事を引き受けてくれました。子育てをしているママが多く、お互いに応援しあっている雰囲気があり、急な欠勤や勤務変更にも快く応じてくださる雰囲気があり、ここなら働きやすいなと思い育休明けも継続してこの病棟で働きたいと希望しました。

まとめ

今回は潜在看護師のREAL VOICEを聞かせていただきました。
皆さんの背景は育休中、産休中、専業主婦などさまざまです。しかし、育休中であっても、予定通り復帰できるだろうか、子どもと離れて大丈夫かな?などと復帰のことを考えると不安に思っていることがあると思います。
今回のREAL VOICEでは看護師が復帰するためのヒントが見えてきたのではないでしょうか?

職場ができること

今回のREAL VOICEの中で、潜在看護師が復帰するために職場としてできることのヒントがたくさんあったように思います。私自身も働いている中で、一人のスタッフとして妊娠中の先輩の業務を減らすなど協力していましたが、スタッフ一人一人だけでなく職場全体で働きやすい雰囲気を作っていくことが大切だと思います。
その復帰を支えるために職場ができるヒントについてまとめました。

復帰を支えるために職場ができること
  • 協力できる体制づくり
  • 人員の補填
  • 業務量の調整
  • 勤務体制の調整
  • 妊婦への配慮
  • 子育てママへの配慮
  • 看護技術一覧やマニュアルの整備

妊娠中に働いているときからスタッフは病棟全体の雰囲気を感じとっています。職場全体に復帰を応援してくれるような雰囲気があれば、復帰しやすくなります。

復帰後には、ゆっくりと体を慣らしていけるような業務量に調整していただけたり、夜勤の免除などのシフト調整が可能であれば、継続して働けるママナースが増えると思いました。
病院によっては、小学生に上がるまで夜勤免除ができる病院もあります。

子育てしながらでも働きやすい病院をつくっていくと、看護師を長く続けられる病院になります。長く働ける病院が増えれば、潜在看護師が減り、人員不足の問題も解決できるのではないでしょうか。

復帰前にできること

育休中でそろそろ復帰と思ったときに、私たちができることとして、子どもの慣らし保育をしている間に生活のリズムを整え、家事などをルーチン化しておくことでも復帰しやすくなります。
看護師として復帰する前にできることとしては、こちらの記事が参考になると思います。

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私たちは、今後も様々な看護師の方のお話を聞き、今ある医療現場の課題や問題解決の糸口を探っていきたいと思っています。

看護の未来をつくる、すべての命は尊いから。

今回のREAL VOICEは潜在看護師に着目し、復帰のヒントを探しました。次回もお楽しみに!

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