働きやすい医療現場に整える【リネン庫】

コラム

患者さんが入院生活を送る中で、適切な治療や処置が施されることはとても重要ですが、それだけでは心身を回復させることはできません。ナイチンゲールは、清潔な空間で適切な休息をとり、必要な栄養を摂取することが不可欠と述べています。そのために、看護師は、患者さんのベッド周囲やその他の療養環境を整えたり、シャワー浴や清拭などで患者さんの身体を清潔にするよう援助していきます。
今回は、リネン庫の収納についてのお話をしていきます。みなさんの病院では、リネン類は誰がどのように管理していますか。

患者さんが清潔なベッドを使用するためには、清潔なリネン類が必要です。病院では、シーツ、枕カバー、掛け布団カバー(包布)などが最低限必要であり、しっかりと定数を管理していないと、リネン庫がいっぱいになってしまったり、足りなくなって交換ができないなどの問題が起きてしまいます。そのような問題が生じないためにはどのように管理すれば良いのか、考えていきたいと思います。

リネン庫(リネン室)とは

リネン庫(リネン室:以下リネン庫と記載する)は、タオルやシーツ、枕カバー、掛け布団、掛け布団カバーなど、寝具類やそれらのカバー類を保管する倉庫です。病院によっては、患者さんの病衣が一緒に保管されている場合もあります。
通常病院では、使用前の清潔なものと使用後の不潔な物が別々の場所で保管されています。

リネンの洗浄は誰がする?

クリニックや診療所などでは、リネンの洗浄を看護師や事務員が行っている所がありますが、ある程度の規模の病院では、外部の業者が行っていることがほとんどです。大きな病院では、洗濯や搬入だけでなく、ベッドメイキングも業者が行っているところがあります。
昔のドラマや映画に出てくる、病院の屋上にたくさんのシーツが干されている…ようなシーンは実際はみられませんね。

看護学生のときには最初に学ぶ看護技術として、1枚もののシーツを三角折りにしてベッドメイキングをするという技術を教えてもらいましたが、シーツはボックスタイプが主流になってきています。時代の流れを感じますね。

リネン庫に収納されているもの

リネン庫には、どんなものが収納されているかご紹介します。

掛け布団、掛布団カバー、シーツ、枕、枕カバー、電気毛布、タオル、患者さんの病衣、検査や手術等で使用する服、クッション類(体位変換に利用する枕など)

医療法で、リネンは清潔なリネン類のみを収納するよう義務付けられています。不潔なリネンと清潔なリネンを同室で管理したり、同じ出入口を使用して管理したりすると、感染のリスクがあるため禁止されています。
また、埃などが付着することを防ぐため、扉付きの棚に収納することが望ましいです。

リネン庫の困りごと

リネンが足りなくてシーツ交換ができない

病院では、入院患者さんのリネンは少なくとも1回/週は交換することになっていますが、それ以外でも、汚染がある場合にはその都度交換しています。
リネンを交換する必要が生じる原因で多いのは、ベッド上で排泄している患者さんの排泄物でリネンが汚れてしまったり、食事の食べこぼしで汚れてしまったり、点滴挿入や採血、創傷処置で汚れてしまったりすることです。
入院患者さんの疾患やADLがリネン交換の頻度に影響していると言えます。そのため、入院している患者さんによって、リネン交換が頻回に必要となり、定数分のリネン類では足りなくなってしまい、他病棟からリネンを借りてくることがあります。

病衣が足りない

病衣のMサイズがよく出払い、足りなくなって少し大き目のLサイズや小さめのSサイズを患者さんに使ってもらった経験があります。着れないサイズでなければ、「気にしないで」と快くサイズ違いの物を受け入れてくださる方が多かったですが、転倒転落につながるようなサイズ感にならないよう、また快適に過ごしていただけるよう、身体にあったサイズの患者衣を着ていただかなければいけません。

リネンが多過ぎて取り出しにくい

リネン類って意外と重たいな…と感じたことはありませんか?
洗濯されて返ってきたリネン類は、きれいに畳まれて収納されていますが、棚の高さ一杯に積み上げられていると上から順に取り出すことができず、真ん中のあたりから引っ張り出さないといけなくなります。積み上げてあるものを途中から引っ張り出すには、上の物を少し押し上げなければならず、引っ張り出したことでバランスが崩れて倒れてしまったりすることがあります。急いでいるときには、スムーズに取り出せないことがストレスになります。

違う種類のものや違うサイズの物が置かれている

一度取り出したものを戻したときに、サイズが違うところに返されていたり、違う種類のところに返されていたりすることがありました。リネンはすべて真っ白で、ぱっと見ただけではシーツなのか掛け布団カバーなのか判断できません。また、患者さんの病衣も、色や柄がほとんど一緒で、畳まれている状態ではどのサイズかすぐにはわかりません。
使おうと広げたタイミングで違うことに気づき、もう一度取りに行くことになり、時間も体力も無駄にした経験があります。

クッション類で溢れている

整形外科病棟や、介護度の高い患者さんが多い病棟では、ポジショニングのために多くのクッション類を使用します。クッション類は大きくかさばるものが多く、リネン庫の収納スペースを圧迫します。クッションも形や大きさがいくつかあり、クッションがたくさんあると必要なクッションを探し出すのに時間がかかります。

リネン庫を整える方法

不要な物を処分する

リネン類は、外部の業者が洗濯をして新しいものを保管するという病院が多く、不要な物は置かれていないかもしれませんが、古くなったクッションやその他リネン庫に置く必要の物が置かれていることがあります。
衛生面から考えても、不要な物が置かれている状況は良くないため、処分しましょう。スペースが確保できて、使いやすくなります。

定数を決める

誰が見てもわかるように、定数を明記しましょう。例えば、20個重ねて置けるような棚であったとしても、20個重ねてしまうと取り出しにくくなってしまいます。取り出す時に必要なスペースを加味して、定数を決めましょう。

定位置を決める

定数が決まれば、次に定位置を決めていきます。ゴールデンゾーンには使う頻度が高いものを、それ以外の場所には使う頻度の低いものを収納していきます。
また、盆やお正月、大型連休などには業者が来ないため、前後にまとめて発注するといった病院があると思います。そのようなときに、定数以上のものが搬入されて置き場所がなく困ったり、取り出しにくくなってしまいます。収納に余裕があれば、一時置きできるスペースを考えてつくるといいですよ。

ラベリングする

画像はイメージ

先ほど話したように、ぱっと見ただけでは違いが分かりにくいものが多いです。
配置を間違えずに置けるよう、必ずラベリングをしましょう。

電気毛布はコードとセットで使用することになるため、毛布とコードにそれぞれ番号をふって同じ番号の物を使用します。紛失が予防できますよ。

院内感染を起こさないためのリネンの交換方法

リネン交換は看護師より看護助手さんや事務員、業者の方がメインで行っている場合もありますが、みなさんの病院には、リネン交換のマニュアルがありますか。基本的な看護技術ではありますが、病棟で行っているリネン交換を見直してみてくださいね。

リネン交換時にはこのような物品が必要です。

マスク・手袋・エプロン・除菌シート(マット表面を拭いて、除菌できるもの)
新しいリネン類・ランドリーボックス・ビニール袋

手順やポイントをみていきます。

リネン交換の手順とポイント
  • 1
    感染防御のため、マスク、エプロン・手袋を着用

  • 2
    ベッド上にある患者さんの私物を一旦オーバーテーブルや床頭台によける

    リネン交換の際に、患者さんの私物を包んで洗濯に出してしまうというミスが起きる可能性があります!特に入れ歯や補聴器などの小さくて高価な物やタオルやメモ用紙などの薄いものは気づきにくいので注意が必要です。

  • 3
    使用済みのリネンを外していく

    使用済みのリネンを床に置いて作業をしている場面がしばしばみられますが、外したらそのままランドリーボックスやビニール袋にいれ、床には置かないようにしましょう。

  • 4
    排泄物や体液などが付着している場合、ビニール袋に入れて、汚染リネンとして
    リネン類を処理する

    汚染がない場合には、ランドリーボックスに入れて洗濯に出す。

    MRSA患者やHBV患者など、病院によっては特別な処理をする(決まったビニール袋に入れる、感染性廃棄物として破棄する等)場合があるので、確認してくださいね。

  • 5
    マットレスを除菌用のシートで拭く
  • 6
    新しいリネンへ交換する

    習慣業務のシーツ交換など、複数のリネン交換をする場合には、ランドリーボックスを持ち歩くと効率的に動けます。

まとめ

今回は、リネン庫の収納、リネン交換時の注意点についてお話しました。

働きやすいリネン庫に整えるポイント
  • 不要な物を処分する
  • 定数を決める
  • 定位置を決める
  • ラベリングをする

シーツ交換は看護師以外の職種や、看護学生・新人看護師などの経験の浅い看護師も行う看護技術です。
清潔・不潔の概念を持って行わなければ、院内感染の原因にもなりうる可能性があります。今一度、管理の方法や交換時のポイントを見直し、気持ちよく過ごせる病棟にしていきましょう。

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