働きやすい医療現場のマニュアル管理

コラム

みなさんの病院、病棟ではマニュアルを作成し管理されていますか?
まずはじめに、マニュアルとはなんでしょうか?

手引書のこと。ある条件に対応する方法を知らない人に対して、物事を教えるために標準化・体系化して作られた文章のこと。
人の行動や方法論を解説してあるものであり、組織や集団における規則を文章で示したもの。

今回はマニュアルを活用するための管理方法や収納場所について見ていきます。

看護師の使うマニュアル

病棟イメージ

医療は日々進化しており、治療方法や病院の仕組みなども常に変化しています。そのため、医療現場にマニュアルは欠かせません。
看護師のマニュアルは、病棟内・病院内の看護師が共通認識できるように看護師が行う業務をまとめています。

例えば、電子カルテの使用方法、感染症の対応、輸血の投与手順など、手順などがややこしく、覚えていられないことなどもマニュアルに書いてあることが多いです。

またマニュアルには、観察項目や看護技術も書かれているため、新人も中途採用も、復帰後の看護師もマニュアルを見るだけで、だいたいの流れを掴むことができます。
看護師のマニュアルは、必要なときに必要なものをすぐに見返すことができるよう管理しておくことが重要です。

マニュアルの存在意義

もしも、病院にマニュアルがないと、どんなことが起きるのか、想像したことはありますか?
マニュアルがなければ、正しい方法がわからなくなります。正解というものがなくなってしまうことになります。
看護技術は人によってやり方がバラバラ。清潔不潔の概念が曖昧になったり、感染症への対応方法もまちまちで、間違った感染予防策をしていても気づくきっかけがありません。
機器の破損や紛失により病院経営に影響が出たり、安全な医療や看護が提供できず、インシデントやアクシデントを起こしてしまうでしょう。また、後輩への指導を統一できず、教えてもらう側は混乱するかもしれません。学んできた時代によっても看護の知識や技術は変化しているため、世代間の違いといった問題が起きる可能性があります。

病院や患者さんのためだけではなく看護師が安心して働けるようにするためにも、マニュアルが整備され適切に使用することが大切です。

マニュアル管理の問題点

看護師が医療現場で働いているとき、この手技を振り返りたい、ここの観察項目に抜けがなかったか確認したい、そう思うことは多々あります。さらに、その場面がふいにやってくることも多いです。

しかし、実際は欲しいマニュアルをすぐに見つけ出せないこともあります。

みなさんの職場では、マニュアルはどこにありますか?またマニュアルが大事にしまわれたままになっていませんか?ここでは、マニュアルによくある実際の問題点を挙げました。

マニュアルの保管場所と保管方法がバラバラ

せっかくマニュアルが作られていても、必要なものをすぐに見返せるように管理できていなければ、意味がありません。

私が働いていた病棟では、マニュアルが様々な場所に保管されていました。一例を挙げると委員会ファイルの中、パソコンのファイルの中、申し送りファイルの中など。
つまり紙面のものもあれば、パソコンで閲覧するものもあったりと、書式や保管形態もバラバラです。そのため調べたいと思ってもすぐにマニュアルにたどり着けず、どこに保管されているかを誰かに確認していました。

誰に確認したらいいかわからないかもしれませんが、管理職、教育担当、記録物全般を扱う委員会に所属している人は、マニュアルに携わる機会が多いためどこに保管しているか知っている人が多かったです。
探し物をする時間はなるべく減らしたいので、知っていそうな人に聞くと良いですね。

最新のマニュアルに更新されていない

次はマニュアルが更新された日時にも着目してください。情報が最新になっておらず、マニュアルに沿ってやっていたつもりでも、他のスタッフに「○○しなくても良くなったみたいだよ!」と言われ、混乱することもありました。

マニュアルの中に必要な情報が埋もれている

マニュアルが載っているであろうファイルや冊子、パソコン上のデータをみつけても、その時に知りたい情報を探しだすのが大変だなと感じることがありました。

例えば、知りたいことが輸血の投与の準備、手順、観察についてだったとします。私が以前働いていた病棟では、輸血のマニュアルは輸血委員会のファイルにありました。
そのファイルには輸血の種類や、輸血の単位についての説明、どのような経路で搬送されてくるのかなど、輸血に関する情報がすべて載っていました。
その時には必要のない情報が多く、知りたい情報が埋もれていました。

必要なタイミングで必要な情報を得られなければ、スムーズに業務を進めていけず、インシデントやアクシデントにつながる可能性もあります。
誰もが必要な情報をすぐに得られるような、保管の方法を考える必要がありますね。

マニュアルの管理方法

マニュアルを管理するには、さまざまな場所に保管されているマニュアルを集めて整理します。
情報が埋もれてしまっている場合には、看護師に必要と思われるところのみを抜粋しマニュアルとしてまとめていきましょう。

紙面で管理する場合

データだけで管理することが難しいことも多いので、紙面で管理する場合の管理方法をお伝えします。

使用する場面や頻度でカテゴリー化する

紙面でマニュアルを管理していく場合には、必要になる場面や使用頻度などで分けてカテゴリー化してみると良いですよ。

  • 毎日の業務で必要になる項目(例:電子カルテの使用方法、インシデントを起こしたときの対応や記録方法など)
  • 数か月に1回~数回程度必要となる項目(例:感染症対策の方法、医療機器がうまく動かない場合の対応方法など)
  • 1年に1回~数回程度必要となる項目(例:避難訓練時のマニュアル、停電時の対応など)

看護技術は一覧にする

看護技術に関しては、使用頻度が高く急いで確認したいことも多いため、看護技術の一覧として、分冊しておくことが望ましいです。

ファイリングする

カテゴリー化できたら、先ほど分類した使用頻度ごとにファイリングします。ファイルは大きくて頑丈な保管用ファイルに入れましょう。

インデックスを使う

インデックスでさらに使いやすく

インデックスを使うと、より一層使いやすくなります。一目みて、知りたい情報がどこにあるのかわかれば、業務時間を有効に使うことができますね。

パソコンにデータとして管理する場合

データとして保管していく場合には、マニュアルのみのフォルダーを作り、デスクトップに保管しましょう。どこのフォルダを開けばマニュアルにたどり着けるか分からないことが多いので、デスクトップの目立つ場所に置いておきます。

マニュアルの修正は決まった人だけができるようにアクセス権の設定をしておく必要があります。

フォーマットの作成

必要なマニュアルがなければ、作成しなければなりません。そんなときに役立つのがマニュアルのフォーマットです。フォーマットを作成し、必要な項目を埋めて行くだけでマニュアルが完成します。内容の修正や追加なども手軽にできるので、マニュアルの質を高めることに繋がります。

マニュアル動画の作成

動画で撮影、編集し、動画マニュアルをつくるクリニックや病院が増えています。
内容によっては写真と文章で説明するよりも、動画の方がわかりやすく伝わりやすいことがメリットです。

Youtubeの非公開動画として保存しておくこともできます。URLで共有できるので、お家からでも勉強できる点がメリットです。

マニュアルの保管場所

マニュアルが整備できたら、次は保管場所を決めることが大切です。

データの場合

マニュアルに関するデータをフォルダで分類します。例えば「看護技術一覧」「輸血」「検査」など大項目をフォルダ名にします。「看護技術」の中項目は「清拭」「術後の観察」など細かく分類していきます。

すべてを「看護師マニュアル」の名前でデスクトップに保存します。

紙面の場合

ナースステーション内の看護師がよく通る場所で、マニュアルを広げて確認できる机などがある場所にすべて保管しましょう。保管場所を一つにすることで、誰でもアクセスしやすくなります。

まとめ

今回は働きやすい医療現場のマニュアル管理についてまとめました。

マニュアルを管理するポイント
  • 看護師に必要な情報のみに絞る
  • カテゴリーにわける
  • 紙面でマニュアルを管理する場合は、ファイリングし、インデックスを付ける 
  • データとしてマニュアルを管理する場合は、修正できる人を限定し、デスクトップなどすぐにわかる場所に保管しておく
  • フォーマットがバラバラの場合は、フォーマットをつくり新しいマニュアルを作りやすくする
  • Youtubeの非公開動画として動画を作成し、保存しておく

膨大な量だと、なかなか重い腰が上がらないかもしれませんが、一度仕組みを作ってしまえば、その後は楽に管理ができます。

探し物をするという無駄な時間を省き、業務をスムーズに遂行するために。
わからないことや曖昧なことをなくし、インシデントを起こさない安全な医療現場にするために。
身近な辞書のような存在のマニュアルになるように、整理し管理していきましょう。

書類の整理方法についてはこちら

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