医療現場は書類にあふれている
医療業界では、1999年に電子カルテが開発されて以降、徐々に電子カルテが普及しています。
ペーパーレスの時代とはいえ、患者さんの署名が必要で、控えと原本を保管しなければいけない医療現場は、まだまだ書類にあふれています。

現場で遭遇したあってはならない事件
紙カルテが主流だった時代、現場で実際に遭遇したのは、研修医がカルテをどこかに持って行ってしまい、そのまま見つからずに記者会見を開いて謝罪した事件がありました。
全職種がカルテを探しましたが、どこからも見つからず、患者本人にも謝罪したりと大変な状況でした。
医療職は院外への持ち出しを禁止されているので、カルテを院外に持って出ていくことはあり得ないことですが、紙カルテの時代では持ち出してしまうこともできてしまいました。
電子カルテが主流になってからは、データを持ち出すことは基本的にはできないので、カルテがない!という事件は起こりにくくなっています。
きちんと整理され、収納され、保管、保存されていたら、カルテは見つかったかもしれませんが、どこに何があるかわからない状態だと探し出しても見つからないこともあると、身が引き締まる思いのした事件でした。
保管と保存の違い
ここで先に保管と保存の違いについて確認しておきましょう。日常生活なら近い意味で使われていますが、一般的な社内文書では、明確な違いがあります。
保管……業務で使用する文書を室内で管理している状態
保存……使用しないが、3年以上取っておく必要のある文書を管理している状態
保管は実際に仕事で活用している文書をいつでも取り出せるように置いておくことをいいます。保存は使わなくなった文書を書庫などにしまっておくことをいいます。使わなくなった保存すべき文書とは、法的な理由があって取っておかなければならない文書のことです。
カルテなどは、医師法で5年間の保存が必要です。それ以外の院内文書は個人情報が載っていないものは個人で保管しています。
個人書類の保管や収納方法
個人管理の書類だけでも、勉強会の資料や係の資料、事務的な通達や看護協会からの案内など様々な書類があります。
では実際それらの書類をどうやってまとめていますか?
今回は、個人書類の保管や収納方法についてみていきます。
看護師の書類管理事情
みなさんの職場では、個人の書類管理はどのようにされていますか?
病院によって、個人のカバンも入れられるようなロッカーがあったり、更衣室ロッカー以外個人の私物を置く場所はなかったりと、様々だと思います。
長年同じ病棟にいるスタッフのロッカーは開けたら最後、書類なだれを受け止めながら、鞄を押し込み、書類の束をまた押し込む!
うっかり、配布資料をロッカーに入れようと不意に開けるとダダダ〜!となだれに巻き込まれた経験、あなたもありますよね笑
ロッカーの中を見直しする機会や時間がないと、誰でもいつしかそうなってしまうものです。

わたしが以前働いていた病棟は、こちらの写真のようなレターボックスが一人一人に割り当てられていました。
スケルトン素材のレターボックスだったので、他の人の使用状況がぼんやりと見えるようになっています。9割以上のスタッフは、半分以上のスペースが書類で埋まっていました。
仕事上使用している書類の中にはシュレッダーを使用して廃棄しなければならないものも多く、溜めてはいけないと思いながらも徐々に増えていってしまいました。
勉強会のために、前回分の資料を出そうとしているのになかなか見つけられず、開始ギリギリにぐちゃぐちゃになった書類を持ち、走って勉強会に行っているスタッフもいました。
個人書類の収納の方法
ではここからは、個人書類を収納する方法について見ていきます。
書類をカテゴリーでわける
まずは、たくさんある書類をカテゴリーに分けていきましょう。
例えば、勉強会の資料、係の活動の書類、会議の書類、業務的な案内や病院や看護協会からの手紙などに分けてみましょう。
分けたときに本当に保管が必要なものかどうかを考え、保管しなくてもいいもの、返事が必要なものなどは、「その場ですぐに」返事をするようにしていきます。そのうち書類を見たら、すぐに返事をする習慣になってきます。
カテゴリーによっては、書類の量が膨大な場合があるので、そのような時には4月~、5月~などと細分化してみてください。

ファイリング
カテゴリーに分けたら、次はそれぞれをファイリングしていきましょう。
例えば、係の仕事や委員会活動などのように情報を更新していくような書類の場合には、新しい書類を上へ上へと重ねていける前綴じタイプの物が使いやすいです。
一方、勉強会の資料など時系列を追って見返すことがある書類や、古いものから順に見たいような書類は後綴じでファイリングしていくことをお勧めします。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
フラットファイルを上下逆さまにすると、後綴じファイルとして使えますよ!
フラットファイルは安価でカラーバリエーションもあって便利ですよね。
もし後綴じで使いたいときは、逆さまにしてつかってみてくださいね。
ファイリングの前段階では、クリアファイルにカテゴリーごとに分類しておくと、ファイリングしたいときにスムーズに移行できます。
ラベリング
ファイリングしたら、忘れないうちにラベリングをしていきましょう。
表紙、背表紙、どこにラベリングするかは、ファイルを置く場所や向きによって変わってきます。
ぱっとみて、それが何のファイルなのかが認識できるようにしておきましょう。
見直しの時期をつくる

クリアファイルの中の書類が溜まってきたら、ファイリングに移行していきます。ファイリングのときにも不要な書類は捨てて、全体量を減らします。ファイリングした書類もタイミングをみて、見直すと良いです。今は必要な書類でも、1年後には保管の優先順位は下がります。
ファイリングを見直すのにおすすめのタイミングは、
- 上司との面談や自己評価をつけるために自分で振り返りをするとき
- 4ヶ月ごと=8月、12月、4月の年に3回
- 大掃除のとき など
自分の管理しやすいタイミングを見つけて、ファイリングを見直してみてください。見直しをすることで、自分の行動や頑張りを自分で評価できますし、新たな課題や目標かみえてくるかもしれません。
書類の管理で煩わしさから解放されよう
ここまでにお話した内容をまとめました。
いつの間にか散らかってしまう書類たち。その都度、ファイリングする癖をつけていけば、ロッカーをきれいに保てますし、書類の山で探し物…なんていう無駄な時間を使わなくて良くなりますよ。ちりも積もれば山となる。毎日コツコツと整理していきましょう。
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