【倉庫】働きやすい医療現場に整える

コラム

倉庫は、患者さんの治療で使う衛生材料のストックや、車いすや点滴棒といった入院生活に欠かせない身近なアイテムが収納されています。みなさんの職場の倉庫は整理整頓されていますか?
私が新人として働いていた頃、先輩看護師に頼まれて医療器具を取りに行った際、倉庫の中が物であふれていて、どこに置いてあるのかがわからず、見つからずにとても焦った経験があります。
倉庫が整理整頓されていないと、物を探すのに時間がかかってしまい、業務をスムーズに行うことができません。このようなロスタイムは忙しく働く看護師にとって、ストレスの一つでもあります。
倉庫が整理整頓されていたら、物を探す時間は短縮され、ベッドサイドで患者さんと過ごす時間を増やすことができます。
では、使いやすい倉庫の環境に変えるにはどうすればよいのでしょうか?

今回の記事では使いやすい倉庫の環境について考えていきます。
なかなか片付けにくい場所である倉庫を一緒に見直してみましょう。

倉庫とは

みなさんは、倉庫と聞くとどのような場所を想像されますか?
一般的には倉庫とは、有形の物品を保存・収納するための建造物であると定義されています。(ウェキペディア参照)

このコラムでは、消耗品である衛生材料のストック、予備用の車いすや点滴スタンドといった備品を置いておくバックヤードにあたる場所を倉庫と定義して考えていきます。

倉庫に収納してあるもの

倉庫は棚に収納するか、直接フロアに収納するかの二つに分かれます。
具体的に何が収納されているのかを見ていきます。

棚に収納してあるもの

手袋・マスク・エプロン・アルコール製剤・注射針・点滴用ルート・ガーゼ・ドレッシング剤・テープ類・カテーテル類・薬剤・酸素カニューレ・膀胱カテーテル・生理食塩水・予備輸液など

抑制グッズ・離床センサー・体位交換用の枕・資料や書類・オムツ・尿取りパッド・清拭タオルなど

フロアに収納してあるもの

車椅子や歩行器・点滴棒や点滴スタンド・輸液ポンプ、酸素流量計・吸引器・ベッド柵・除圧マット・ベッドサイドモニター予備・酸素ボンベ予備

私が以前働いていた整形外科病棟では、リハビリで使う機械や、牽引といった整形外科特有の治療で使うものも収納されていました。倉庫に収納されている物品は、働く病棟によって異なりますので、上記には一般的によく置かれているものを挙げています。

倉庫内での困りごと

在庫が過剰もしくは不足している

皆さんの職場では、物品の在庫管理は誰が行っていますか?
気づいた人がしているというように、在庫管理者があいまいな場合、物品の過不足が起こりやすい環境だと言えます。
あるものは余るほど多く、あるものは残り少なく、必要なタイミングに在庫切れ…なんていうことが起こります。
物品は発注して届くまでに時間がかかります。そのため、在庫がなくなってから発注してしまうと、届くまでは物品がない状態で過ごさなければならず、治療に差し支えます。

在庫がなくて、他病棟へ借りに走っている看護師や看護助手の方をしばしばみかけます。物を探す時間や手間は、ストレスですよね。

衛生材料の期限が切れている

在庫をうまく管理していない場合、保管期限が切れていて使えないなんてことも起こります。期限が切れた衛生材料や医療用物品は、廃棄しなければいけません。医療品は高額であることもあるため、使わずに廃棄することは無駄なコストになります。長期に保管する場合は有効期限内に、衛生材料などを使用していく必要があります。

在庫管理は、在庫の数だけでなく、滅菌物品の使用期限の確認も必須ですよね。物によって、使用期限が書かれている場所はまちまちですし、ぱっと見ただけでは分かりにくいことが多いので、付箋などで大きく期限を書いておくと確認しやすいですよ。

不用品がある

倉庫は物置のような役割であるため、整理されていない場合、倉庫内は物がたまりやすくなっています。使わなくなった古い医療機器、壊れているものが奥の方に収納されたままになっていたり、保管期限をすぎた書類が多く残っているケースも多いです。

倉庫内に不用品があっても、私物と違って簡単に廃棄できず、廃棄するためには管理者に確認しなければならないことがあります。
そのため、倉庫内の不要物を個人の判断で捨てることは難しく、時間がかかることがありますね。

煩雑で、物が取り出しにくい

倉庫内に収納された物品が多く、煩雑な状況の倉庫は多いと思います。
物の置き場所が決められていない場合、スペースを無理矢理あけて入れこんだり、空いているスペースがあれば、適当に物を戻していくということになります。そうなると、欲しいものを取り出そうとする際に探す時間がかかったり、手前にあるものをどけて取り出したりと、効率が悪くなります。また、同じところに収納できていないと、欠品していると勘違いして過剰な発注にも繋がります。
煩雑な倉庫は業務効率が悪くなり、ベッドサイドに行く時間が遅れ、業務にも支障をきたすといえます。

床に段ボールが積んである

搬入された段ボールがそのまま置きっぱなしになっていることはありませんか?
床は不潔なエリアであるため、床においたままだと汚染される可能性があります。また床に置いてあるものが増えると、倉庫内の移動スペースが十分になく動かしにくくなるため、物が取りだしにくい環境になります。

倉庫を働きやすく整えよう

不用品を処分する

使わなくなったものが置きっぱなしになっていませんか?
本当に使うものだけを収納して何年も使わずにおいているものや壊れたものは処分しましょう。
また、保管期限をすぎた書類が残っている場合は処分しましょう。
不用品を処分することでスペースが確保され、倉庫内もすっきりとした印象に変わります。

倉庫は日常業務の中で、掃除をしたり整理をしたりする時間はなかなかありません。
年に一度、年末の大掃除の際など、倉庫内を見直す週間があるといいですね。

使用期限を明記する

衛生材料の使用期限をわかりやすく表示することで、期限切れを防ぐことができ、どの在庫から使えばよいのかわかりやすくなります。
期限が近いものは手前に置き、「期限切れ間近」とさらに赤字などで表記することで、注目されやすくなり、期限切れになる前に使用を促すことができます。有効期限内に使うことで、医療コスト削減につながります。

わたしが以前働いていた病棟では、使用期限が間近になったCV挿入キットを、HCUや救急外来など、頻繁に使用しそうな病棟へ持っていくなどして、できる限り捨てることなく使用するよう工夫していました。

カテゴリーごとにカゴに収納する

棚に収納する場合は、同じカテゴリーごとに分類し、カゴに収納します。カゴの前には何が収納されているのかをラベリングして表記しましょう。
収納されているものが目で見てすぐわかるようになれば、探す時間も削減され、業務の効率アップにつながります。

在庫管理システムを確立する

ルミナスクラブ様よりお借りしました

まずは物品の定数を決め、ラベリングで表記します。物品の定数が決まると、過剰な在庫の発生が抑制されます。
また、在庫を管理する人が決まっていない場合は在庫管理を行う人も決めましょう。管理する人を決めることで重複した発注を防ぐことができます。
無駄な在庫がなくなることでコスト削減にも繋がります。

病院によっては、看護助手さん(ナースエイドさん)など看護師以外の方たちが在庫管理を担っている場合もありますね。

物品の固定の位置を決める

床に置く大きなもの、例えば車いすやベッドサイドモニター、点滴スタンドなどといったものは、床にテープなどで場所を区切り、何を置くのか表記し、直す場所を決めます。これをラベリングと言います。ラベリングをすることで、誰が見てもわかるようになります。
そうすることで同じものを同じ場所に片づけることができ、倉庫内が煩雑になるのを防げます。また、よく使う物は手前に、あまり使わない物は奥に収納すると、取り出しやすい倉庫に整います。

倉庫の見取り図を作成

新人や他部署の看護師でもわかるように倉庫内の地図があると便利です。
どこに何が収納されているのか書かれた地図を入口などに表記しておけば、その場所だけを探せばみつかります。物を探す無駄な時間がなくなり、業務の効率があがります。また、収納している棚が複数存在する場合、棚ごとになにが収納されているかがわかる見取り図があると便利です。

図書館のようなイメージです。棚が複数ある場合は、棚ごとに、「酸素物品」「バルン挿入物品」「ガーゼ類」「点滴・注射類」などと表記しておくと探しやすくなります。

床にあるものも片づけよう

床は不潔エリアであるため、床に直接置くのではなく棚になおしましょう。また搬入されたものは同じ場所に収納することで重複して注文されることを防ぐことができます。
床に物がない状態であると、倉庫内は移動しやすく、すっきりとした印象に変わります。

まとめ

今回は働きやすい倉庫の環境についてお話させていただきました。

働きやすい倉庫に整えるポイント
  • 不用品を処分する
  • 使用期限を明記する
  • カテゴリーごとに収納する
  • 在庫管理をするシステムを確立する
  • 物品の定位置を決める
  • 倉庫の見取り図を作る
  • 床にあるものを片付ける

倉庫が整理整頓されていると、物が取り出しやすく、スムーズに業務を行えるようになります。
無駄な時間をなくすことで、ベッドサイドで患者さんと過ごす時間が増え、業務の質も向上します。
普段あまり手入れをしない倉庫ですが、年末大掃除のときには環境を見直し、整理整頓してみてくださいね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました